ASIAN KUNG-FU GENERATION

「ストレイテナーが創り上げた2015年のSky Jamboreeを踏まえて、今年ぜひとも出演を!それもトリをお願いします!」というラブコールを快諾いただいたASIAN KUNG-FU GENERATION。
(盟友:ホリエアツシがFM長崎のオファーを後押しするような連絡を入れてくださっていたことが、後のMCで紹介されることとなります。)実に12年ぶりのSkyJamboree出演!

ほとんどの共演者がステージの両脇で見守るなか、5人はゆっくりステージに登場し自身のポジションへ。干支が一周するほどの年月を経て稲佐山に戻ってきた彼らを”おかえりムード”で待ち構えるオーディエンス。

注目の1曲目は【Re:Re:】
後藤正文(ゴッチ)のトリッキーなギターの音、伊地知潔のドラムと追走する山田貴洋のベース。さらに喜多建介のギターリフ、サポートキーボードのsimoryoのフレーズも重なり合っていく。今年リリースされたシングルバージョンでのイントロは、光のスペクトルのように5つの音色が重なって広がっていく感覚がたまらない!
歌が始まってからはゴッチと一緒にファンも熱唱!時折強い風が吹いて音が流される感じも野外ならでは。

ハイハットカウントを合図に、オクターブギターと図太いベースからスタートしたのは【振動覚】
2004年の名盤「ソルファ」から2曲続けての選曲に、ライブエリアからは驚きと喜びの混じったような歓声が。もちろんこの曲でも場内のあちこちでシンガロング発生!

そのシンガロングがさらに増幅したのが3曲目【リライト】!
イントロから地鳴りのような大歓声!サビの「消して」では場内全体が大合唱!!
足元のエフェクターを操って空間を歪ませるような音を鳴らすなど、前回のSkyJamboreeで演奏されたときよりも壮大な間奏を展開。またステージの一番前まで出てハンドマイクで「芽生えてた感情切って泣いて」「所詮ただ凡庸知って泣いて」のフレーズを何度もコール&レスポンスするという新鮮な試みも!

演奏後のMCで、先ほどの演出について種明かしを始めるゴッチ。
「TOSHI-LOWさんの真似をしてちょっと(客席に飛び込むようなことを)やってみようかなと思ったけど、俺のマイクはワイヤレスじゃないことに途中で気づいて。(そのまま突っ走っていたら)一番前のセキュリティのところでマイクが”ビーン!”と多分なっていたと思うので…。さっきのコール&レスポンスみたいなのは、キレイさっぱり忘れてください!」との発言にメンバーもオーディエンスも大笑い。

「最近出演したフェスの中でも、特にバックステージに友達が多くてすごく楽しいです。」とゴッチ自身も笑みを浮かべつつ、新しい曲をやりますとの宣言から7月リリースのシングル【ブラッドサーキュレーター】へ!
再レコーディングがプラスに作用した部分もあるでしょうが、ソルファの楽曲たちと新曲がシームレスに繋がることの凄さ。アジカンがこの12年間ずっと第一線で活躍し続けていることを証明する選曲とパフォーマンス!

続いて、4つ打ちが始まった時点から場内が沸いた【君という花】
シモリョーのキーボードも加わった色彩豊かな音像が印象的。「自由に踊って楽しんでください!」との一言を自ら体現するように、阿波踊りのような振り付けをみせるゴッチの動きも印象的。そしてオーディエンスの熱唱ぶりも印象的。

5曲を歌い終えて、再びゴッチのMC。
「けっこう早い段階からストレイテナーのホリエくんに連絡をもらって。来年どうしてもこの稲佐山でライブをやってほしいと言われて。”じゃあ空けるよ”と言って。今年の夏はここ(Sky Jamboree)を優先してスケジュールを組んでもらったんです。」とのエピソードに、会場のあちこちから”ありがとう!!”との言葉が。

「地球の裏側では平和の祭典=オリンピックが行われていますけど、ここでもこうして音楽好きなみんなと集まってすごく幸せな時間を過ごせることをとってもとっても嬉しく思います。もう70年でも、もう100年でもこういう時間が続きますように。本当にそう心から思っています。」

そう話したのち、曲紹介とともに最後の1曲【転がる岩、君に朝が降る】へ。
柔らかいアルペジオの調べが、歌詞が、優しく吹く風にのってどこまでも飛んでいくような感覚。イントロから歌い終わるまでのえも言われぬ感動。琴線に触れるとはまさにこのこと。(翌日のツイートによると、ブワァっと毛穴が収縮して、とても良かった。泣いてしまいそうだった。なんでかはわからないけれど、とゴッチ自身が述懐。)

ライブ直後に客席から響いた「もってこーい!」コールを受けて、アンコールに舞い戻った5人。

12年前に出演した当時の写真写りが悪かったことや、最近オシャレを意識してパーマをかけたけど鳥の巣と言われているなど自虐的なエピソードを披露したのち「MC下手なんだよ、これ以上しゃべるとボロが出ちゃうんだよ。」と苦笑いしつつ(ファンからは大丈夫、大丈夫!という合いの手が。笑)

あと2曲やって帰ります、といって最初に【ソラニン】を演奏。
イントロの瞬間から悲鳴にも似た歓喜の声が!聴き入る人、口ずさむ人、涙ぐむ人、身体を揺らす人。それぞれの聴き方で楽曲に浸ったところで、いよいよ最後の1曲!

心踊るようなリズムのタム回しから【今を生きて】に突入!
ビートに合わせて手を叩きながら飛び跳ねるオーディエンス、汗だくで肉体を躍動させるその様がとても楽しげ!日中に比べればやや涼しく感じるとはいえ、8曲もの熱演にメンバーも大粒の汗。会場全体にあたたかな雰囲気と笑顔が溢れたアンコールパフォーマンス!

最後は5人横並びとなり、深々とお辞儀をして12年ぶりのSky Jamboree出演を終えたアジカン。

音楽を愛する者同士が稲佐山に集い、ともに歌い、ともに優しく笑って、フィーリングを刻み込んだ祝祭のような45分間でした!

photograph by Yuki KATSUMURA

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