今年のSky Jamboreeの大トリを彼らが勤めると、果たしてどれだけの人が予想できただろうか。
長崎初ライブは2001年の稲佐山。以降自身のスタンスで着実に長崎との繋がりを太く・濃いものにしていった3人が、結成10周年という節目を前にして大トリという夢の舞台に登場した!「10-FEET」!
お馴染みの荘厳なSEに包まれ、お揃いのつなぎ姿でステージに現れた3人。
音を繰り出すよりも先に(vo/g)TAKUMAさんが1言。
「夏フェスでトリを勤めるのが夢でした。今日はみんなのことを家族やと思ってやります。」
万感の想いを込めて1曲目「VIBES BY VIBES」がスタート!最初の言葉で早くも涙する人も。この時間・空間を共有することで自分もその夢に加わっているんだ、そう考えるだけで胸が熱くなる。
個性的なリズムパターンで主張してくる(d)KOUICHIさん、(b)NAOKIさん、そして吠えるようにギターをかき鳴らし歌に全てをぶつけてくるTAKUMAさん。言霊ならぬ“音霊”が体に入り込んでくる感覚に震える。
続けてアッパーな「JUST A FALSE!JUST A HOLE!」でたたみかける!
さらに過去2回のSky Jamboreeで行なった“全員参加の面白い動き”シリーズ、今回もバッチリやってくれた!4曲目「HEY!」のベースとドラムだけになる間奏部分で、会場後方から前方に向かって“ジャンプウェーブ”!ステージ袖にいた他の出演者もしっかりジャンプ(笑)そして次に、前から後ろへ波を返していく。
このビッグウェーブでみんなが笑顔になった矢先に、まさかの豪雨再来。しかし止まることなくライブは続けられる。
「凄い雨やったな、と思い出して笑える1日にしよう」と話して「ライオン」がスタート。
顔を拭うのに精一杯で、ステージがほとんど見えないほどの雨量であった。がしかし、この雨粒がステージ照明をキラキラと乱反射され、楽曲をよりドラマチックに演出。
山の中、夜、雨、雷。これら自然の全てが10-FEETのライブを味方してくれているようで、神秘的なものすら感じた。
ラストは定番の「RIVER」で感動のフィナーレ。となるところだが、オーディエンスの感動と興奮はピークに達しており即座にアンコールが沸き起こる!
再びステージに登場した彼らがアンコールに1曲だけ応えてくれた。初期の代表曲「CHERRY BLOSSOM」。この日1番笑顔の花が咲き乱れた瞬間となった!
10−FEETだからこそ為しえた“伝説”という言葉がふさわしいステージ。音楽を通して描かれた1人1人の夢模様が形となってフィナーレを迎えた。
Sky Jamboreeの翌日、TAKUMAさんから届いた1通のメール。あの一夜を彼の言葉で振り返ってください。本人の了承を得たので以下に掲載します。
最後に私(スタッフの側)からバンドへ、そして皆さんへ一言。「ありがとう」
『野外イベントで大トリをやるのは夢でした。
あのライブそのものが僕の夢模様でした。
照明の光が雨の色を変え、霧が風で渦巻き、光をねじ曲げた幻想的なラストステージ。
どしゃぶりの雨でずぶ濡れという過酷なコンディションが会場に居る皆の心を一人残らず少年にしてた。
雨に濡れて束になった前髪が視界を邪魔している事にも気づかないでステージに向かって全力で笑うみんな。
照明の色に合わせて皆の笑顔の色が七色に変わる。
あの何もかもをチャラにするずぶ濡れの笑顔を僕は忘れない。
人恋しくて寂しい時にしか解らない人の暖かさ
辛く苦しい時にしか響かない優しい言葉
失う度に積み上げられてきた悲しみが愛と幸せの受信機。
暗闇ほど光が美しい
泣いた後の笑顔が美しい
晴れた日には見る事のできない皆の本当の笑顔が
昨日稲佐山にはたくさんありました。
稲佐山の雨は皆の心にへばりついた余計なモノを洗い流してくれるんですね。
31年間生きてきて初めて雨が少し好きになりました。
この先、朝起きて外が雨の時、あの日を思い出せば落ち込まないで済みそうです。
ありがとう稲佐山
ありがとう稲佐雨
ありがとう長崎スカイジャンボリー
同じ雨に打たれ一緒に笑った会場のみんな、大大大好きです。
またどこかで。』
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