G-FREAK FACTORY

webレポートを掲載するようになって今年でちょうど10年。実は2005年の彼らのライブを書き留めておきたい!という衝動からスタートしたのでした。

それから10年。メンバー脱退などの困難がありながらも常に“DREAD ROCK”という刀を磨き続け、満を持して戦後70年の長崎・稲佐山へ帰ってきた群馬の雄=G-FREAK FACTORY。
長崎を訪れる際は必ず原爆資料館に行く彼ら、この日も朝から足を運んで稲佐山にやってきたとのこと。その感情も踏まえてステージへ。

前回出演時とは比べ物にならないほどの盛大な拍手で迎え入れられた5人。(10年前のSJ出演後に脱退した元メンバー:鴨居哲也が、この日はサポートキーボードで参加!)まずはDUBフレーバーのジャムセッションで精神統一、そして茂木洋晃が宣誓。

「ちょうど10年前。G-FREAK FACTORYはSky Jamboreeに出演しました。時間を超えて10年、戦後70年。ここに帰って参りました。今年呼ばれた意味、存分に感じながらG-FREAK FACTORY始めます!」

その言葉を口火に戦友・原田季征が攻撃的なギターリフを弾き始め、1曲目「Unscramble」へ。闘争心むきだしの荒々しいサウンドを背に、冒頭からステージを飛び出してライブエリアで歌う茂木。ファンもめいっぱい頭を振り拳を挙げ、会場全体がヒートアップ!

軽快な曲調に一転し、バンドとオーディエンスが心と心で握手するために“Say Ho〜!”とコール&レスポンスを展開。(hammer skaを引用して盛り上げる場面も!)そしてToots & The Maytals / 54-46 was My Numberよろしくリズム遊びを楽しんだところで次の曲「日はまだ高く」に突入。曲に込められた“故郷に愛を”とのメッセージに胸が熱くなりながら、縦ノリでひたすらジャンプ!ギターソロ中に全員をその場にしゃがませ、サビと同時に一斉ジャンプ!これまた大盛り上がり!
そのまま「SOUL CONNECTION」に流れ込み、勢いはさらに加速!この曲で聴けるメロディアスかつバウンシーなベースラインは、まさに吉橋伸之の真骨頂。そして飛べ!踊れ!と本能を刺激する家坂清太郎のビート。どんなに感情が昂ってもバンドの骨格を崩さない鉄壁のリズム隊に脱帽!

天井知らずで上がっていくテンションを、一度リセットするようにMCを挿入。「長崎の人どれくらいいるの?」との問いかけに半分以上の手があがり、半端ねぇ!と興奮気味に驚く茂木。そして、生まれて初めて出演したフェスがSky Jamboree 2005であること。気がついたらこの10年間で年下の売れているバンド達から先輩と呼ばれる立場になったこと。前回出演したときに初代SJプロデューサー(有森勝郎)から譲り受けた“ROCK = ?”と刻まれたTシャツでこのステージに立っていることなど、今の率直な想いを告白。
彼の言葉は続く。「もしかしたら、こういう楽しい場所で奏でる曲ではないかもしれないけど、10年前もここでやった曲。レゲエミュージックっていうのは、愛や平和を歌うラブソングばかりだと思っているかもしれないけれど、“戦う音楽”。ずっ
と探し続けて、あえいであえいで、ようやく中指を立てたポジティブソングだと俺は思っています。人間っていうのはネガティブをいっぱい並べたら勝手にポジティブに向かえる、そういう勝手で生意気で自分勝手な生き物だとも思っています。だからこの曲を、このラブソングをここでやる意味がある!」
要所要所に拍手が送られるなか、さらに吠える茂木。
「いま東北が困難に立ち向かっている。長崎の人、広島の人は、東北に勇気を与えられる唯一の日本人だとも思っています。70年前のボコボコの日本を生き抜いた。
そして世界一になった長崎の人、広島の人、あの世代、あの時代は…4年前の3月11日午後2時46分。俺たちが生きている時代に起こった、あの日本を救えるノウハウやアイデンティティを持っているんだと信じています!立ち上がれ!歴史は人間が作る。歴史を作らないのも人間。ウクライナ、ISIS、戦前戦後。まだ終わらない!
終わらないルーティーン。島国。平成。昭和。島生民!」

熱弁、静寂。憤怒、希望。渾然一体となった空気のなか、大作「島生民」を演奏。淡々と刻まれるレゲエビートにのせて、次々と繰り出される辛辣な言葉たち。次第にそれが渦となり、バンドのグルーヴも重なって強大なエネルギーを生み出し、1万人を飲み込んでゆく!

稲佐山をカタルシスへ誘った直後オーディエンスの上で鉢巻きを締め、アカペラ・フリースタイルで弾丸のように言葉を放ち続ける茂木。
それから「みんな死ぬなよ!約束はできないけど、戦後80年にまたここに帰ってくるつもりでいるから。ありがとう長崎、ありがとう稲佐山!幸せに。G-FREAK FACTORYでした!」といって、最後の一曲「EVEN」へ。“幸せに”の一言を音にしたような優しいアルペジオ、軽やかなリズム、愛に満ちた歌詞とメロディ。絶望的なまでの原子野から復興を遂げた長崎。そんな街だからこそ、困難に面している人のために思いやれることがきっとある。そんな勇気が湧いてくる1曲。かすれ気味のボーカルを支えるかのように、オーディエンスも共に熱唱。
最後の力を振り絞りながら「ありがとう!」と何度も口にして、平和のポーズ(右手を垂直に、左手を水平に)を構えてステージを去る茂木。

10年前よりも地に足をつけてライブができた、と笑顔でライブを振り返ったメンバー。
「今年が戦後70周年だからとかじゃなく、71年でも72年でもやっぱりどんどん伝えていかないと俺たち世代がまた争ってしまうと思う。だから、よそ者が言うことじゃないのかもしれないけど、平和への想いをステージでマイクをつかって大げさに言わせてもらった。」とも。

このG-FREAKからの熱く重いバトンは、盟友:10-FEETへ!

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