クリープハイプ

「FM長崎を訪れた際、スタジオに貼ってある歴代のポスターを見て“いつか出たいな”とずっと思っていた。」とは尾崎世界観の弁。今年2月のDRUM Be-7以来、2度目の長崎ライブがSky Jamboree!スピード出世ならぬ、スピード出演となったクリープハイプ。
(厳密にはメジャー1stシングルをFM長崎でパワープレイしていたり、SJにも数年前からオファーしていたりという経緯あり。)

DJ YUYAの紹介後、SEを使わず入場していく4人。そのぶん歓声の大きさが際立つ!
全員がスタンバイした直後、長谷川カオナシが爪弾きはじめたベースリフにすぐさま黄色い声があがるも、突然演奏を静止する尾崎。戸惑うオーディエンスに対し“これから気持ちいいことをするんだから、お互いで高め合っていこうよ”、そうアドバイスするように「これが一番盛り上がるのに、こんな歓声じゃ怖いです。大丈夫?いけるかな?」と一言。しっかり歓声が沸き起こることを確認してから、再びベースが鳴り始め「HE IS MINE」に突入!チョーキングにシンクロして身をくねらせな
がらリードギターを奏でる小川幸慈の姿が印象的な一曲。そして日の高いうちから“あのフレーズ”を大勢で叫び、特殊な一体感に包まれるライブエリアも印象的。尾崎も「大変よく出来ました。」と笑顔に。

「晴れて、よかった。」と一言挟みつつギターを持ち替え、すぐさま2曲目「オレンジ」へ。浮遊感あるギターフレーズやボーカルが引き立つ、最小公約数の音像。曲に合わせて手を振ったり手拍子をしたりと、オーディエンスも曲に浸って気持ち良さげ。

カポタスト変更で再びギターを交換し、「夏の歌を。」との言葉から歌い始めたのは「ラブホテル」。
たゆたいながらクールに指弾きベースを奏でる長谷川。指先のニュアンスを伝えやすいグリップ、かつしなやかな手首でリズムを生み出す小泉拓。ふくよかなリズムに身体を揺らすオーディエンス。
曲中にブレイクを入れて、尾崎がMC。「はじめてSJに出られて、楽しみでしょうがなくて。楽屋でドキドキしながら“クリープハイプ”ってTwitter検索してみたら、若いバンドマンにdisられている記事をみつけて、悲しい気持ちになりました。」
ライブエリアから即座に激励の声が上がり、照れ笑いしながらも言葉を続けて「色んな感情はありますが、全て夏のせいにして最後の大サビを歌おうと思います。」と、ファンの声援を受けながら最後まで熱唱。

尾崎のギターチェンジの後に奏で始めたのは「憂、燦々」。音源よりも、一層情感がこもったように感じられる。時折心地よい風が流れるなか手を揺らすオーディエンスの光景が、波の穏やかな海を見ているかのよう。
新曲をやります、との宣言から「リバーシブルー」へ。曲が進むごとにより声にハリが出てきた尾崎、力強いカッティングも自身の歌を好サポート。リリース前ながらCMソングに起用されていることもあって、サビを口ずさんでいるファンもちらほら!(ライブレポートから離れますが、この曲はシングル収録の3曲全てを是非お聴きいただきたい!)

またワンマンで長崎に来られるように、と嬉しい一言に続けて「とっておきの曲を。」と紹介されたのは、ジャキジャキに歪ませたES 335のストロークから始まる「社会の窓」。ボーカルの抑揚やテンポ、アドリブで追加される言葉など、ライブならではのスリリングさがたまらない!中盤でアカペラとなるシーンでは、オーディエンスからの手拍子が自然発生。そして最後のサビ前「最高です」を一斉に叫んでフィナーレへ一直線。バンドとオーディエンスが双方向でこのライブを成立させ
ているのがよく分かる!
最後は尾崎が一言「ありがとう。」と添えてステージを去った4人。

1ステージ制は興味のないバンドも見る事になるので、自分たちも試されている感覚があって緊張したけど、会場の後ろまでお客さんが楽しんでいるのが分かったし、物理的にも心の距離感も近かった。自分がお客さんとして観に行くなら、こういう
フェスがいいなと思った。と感想を語ってくれたメンバー。

派手なステージ演出や過度なリップサービスをせず、純粋に楽曲と演奏を主軸にした30分間のステージ。ロックバンドの原点にして理想型、こんなライブができるバンドが今後も増えてほしいものです。

夏が苦手なのに一番暑い時間帯での出演、本当にありがとうございました!

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