スカジャン スペシャルレポート
   
   
     
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ELLEGARDEN

 今年5月2日に、9月で活動を休止することを発表し、音楽シーンに衝撃を与えたELLEGARDENにとっては活動休止以前に九州でライブをするのはこのSky Jamboree 08がラスト。
ファンにとってもしばらく彼らのライブは見納めとなるだけに、期待と焦燥、見られる喜びとしばしの彼らのライブを見られないことへの淋しさなどなど様々な想いが会場には膨らんでいた。
しかしステージを控えた彼らはいたって普段どおり。
ライブに向けて意識を集中させる細美。軽快にスティックを振りステージに備える高橋。入念に準備運動をする高田。ギターに触れながら舞台袖から客席を見渡す生形。

いつもの彼らがそこにいた。休止するから気合を入れる、だとか。しばしの別れだから、とか。そんなことに左右されるバンドではなかったな、と改めて感じた。
彼らはいつだって、瞬間、瞬間の全力を出し、全身全霊のステージをするバンドだ。だからこそここでの彼らは普段どおりなのだ。

 ELLEGARDENの登場が告げられ、会場を夜空を壊さんばかりの大歓声が包む。SEと共に4人が姿を現す。手をあげ、歓声に応えながら最初に鳴らしたのは『BBQ Riot Song』。8000人の大合唱で彼らのライブは始まった。

「いこうぜ!長崎ーーーっ!!」と細美が声をあげると次々にダイブするオーディエンス。会場全体がモッシュピットとなったかのように全ての観客が全身で彼らのビートに乗り、共に声を出し続ける。
今、この瞬間を懸命に楽しもう。
そんなファンの想いが伝わってくるようだ。

力強いドラムが強力にビートを打ち込み、メロディックなギターがカラフルに響く『モンスター』では8000人が細美と共に大ジャンプ!笑顔を見せるメンバーたち。
続く『Space Sonic』はイントロだけでステージから轟く音を掻き消しそうなほどの歓声があがり、大合唱。渾身のライブはそのまま『Fire Cracker』へ。

アグレッシヴなプレイで観客を煽る高田。叩き込むようにギターを掻き鳴らす生形。全身でビートを刻む高橋。湿っぽい雰囲気なんて微塵もない熱いステージングは彼らの思いの丈を会場の全ての人へと届ける。
「今日は呼んでくれてありがとうございます!」と細美の言葉に拍手が起こり、オーディエンスの表情を見渡して細美も笑顔を見せる。

そしてギターと歌声と大合唱で始まった『Supernova』で湧き上がった「Oi!Oi!」の掛け声の大きさにどれほど彼らがファンに愛されているかを感じる。
『Salamander』では高くあげられた観客の拳が降ろされることはなく、彼らの歌に応え続けているようなその景色が印象的だった。

そして『ジターバグ』。一瞬だってELLEGARDENの音を逃すものかという気迫さえ伝わってくる観客のリミッターのない熱気がステージの4人と稲佐山をひとつにする。
そして『Red Hot』ではステップを踏み、ジャンプし、ダイブをし…。全身で彼らの音を掴む観客たち。

「音楽やっていてよかったなと思います。マジで。どうもありがとな!」。
心からの気持ちを口にした細美と8000人とが一緒に歌う『Make A Wish』を届けると、彼らはステージを降りた。 もちろんすぐさま湧き上がるアンコールの声。

「どうもありがとう!最後に1曲だけやらせてください!!今日は1曲だけで帰るけど、次にオレたちがSky Jamboreeに戻ってくるまで、このイベントをなくさないでね、お前ら!」と細美が叫ぶと歓声が彼の想いに返事をする。

最後は『高架線』。シンプルでエモーショナルなミディアム・ナンバーは夜空を駆ける。観客、スタッフ、そしてメンバー。全ての人のELLEGARDENへの愛を乗せて。

彼らは今の彼らの全てで「いつも通り」のライブをし、またいつかこのステージで「いつも通り」のライブをしてくれる。
そんな熱く優しい予感を残して彼らはイベントにも掲げられた“笑顔”と共に観客に手を振った。
 
 
 
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